8年を過ごしたSNSがあった

ポエムを書く。

Twitterのクライアント開発者でもなく、何らかの技術的寄与をした者でもないため読んで得られる知見は特にない。

そういった意味では近しい「技術系界隈」の人たちよりは、「なんかコイツらツイート量おかしいし意味不明なミームばっかり発信してんな」と優しい目で見守っていただいていた方々に特に読んでもらえたらと思う。
こんなやつも居たんだなとでも感じてくれれば十分だ。

Twitterが大嫌いだった

最初にTwitterを知ったのは2009年頃だった。
テレビもネットも「Twitterで芸能人が失言炎上!」を伝えていた。

第一印象が最悪だったため「こんなクソつまらんやつ誰がやるんだ」と思い、嫌悪感さえあり当時完全にスルーしていた。

そんな中、登録したのは2011年5月だった。
高専を卒業し大学に編入して1年経った頃で、ミーハーだった当時は(今もミーハーだが)2chまとめブログで誰かが叩かれているのをあたかも自分たちの手柄のように嬉々として眺めていた。
相当Twitterが嫌いだったんだなと思うが、そういったのを直接観測しようと登録したのが動機だったと記憶している。
今思い出しても相当つまらない人間だったんだなと思う。

見てこれほんとひどい。俺がバカだよ(登録後3ツイート目)

ハマった

勢いで登録はしたが、その時点で満足してしまいフォローも閲覧もツイートもしていなかった。

結局大学や高専時代の同期(オタク)たちもやっている(限界オタク大学なので構内でも本名知らんがハンドルネームは分かるのでそっちで呼び合った)ということで数人フォローしたり、好きだった東方アレンジサークルの人達をフォローして稀に見るだけだった。

が、研究室で卒論が詰み始めるとツイート数は増えた。不思議なもので、忙しさに比例してツイートが増えるのだ。
決定打を与えたのは大学の友達(オタク)だった。

Shooting Starってクライアントがいいよ」
ShootingStar(2018/8/22:ShootingStar開発者に殴られたため表記訂正)

ツイッタークライアントとオタクとわたし

Shooting StarShootingStar(2018/8/22:ShootingStar開発者に殴られたため表記訂正)というAndroid向けTwitterクライアントがあった。
特徴としては、軽快な動作、見やすいデザイン、ワンタップアクションなどそれだけで非常に使いやすかったのだが、おまけの大量のジョーク機能(大量お気に入り爆撃機能など)に魅せられてしまった。

簡単に言えばキチガイ機能が好きになったのだ。キチガイを装える自分が、凡人である自称キチガイの自分が。

結果、ツイート量、ふぁぼ量が爆発的に増えた。
老害メモ:ふぁぼ=お気に入り。ふぁぼると嬉しい。ふぁぼられるともっと嬉しい)

これが2012年4月頃の出来事であり、本格的なふぁぼブームが2013年頃だったので、割りとハマるのが早かったなと思う。
TwitterのWebや公式アプリ以外のサードパーティクライアントと呼ばれるもの自体はそれ以前にもいろいろ試していたが「これだ!」というものは見つけられなかった。

以下、主に使ったTwitterクライアント使用変遷。

最初に書いた通り、まとめしか読まないクセに通ぶって2chから入った体だったため、初めて使ったクライアントはV2Cという「2chTwitterが一緒に見れる」ものだった。最古から10ツイート目には既にこれからツイートされている。

ふぁぼにハマった頃、やはり同族が恋しくなるわけで、同じような自称キチガイTwitterクライアント作者、なんかすごそうな技術者などをたくさんフォローした。もうツイッターからは逃げられない。
そういったクラスタ老害メモ:オタクをひとまとめにして掃き捨てるとき便利な単位)に属していたため、フォロワーが新しいクライアントを作ればインストールし、「ここをこう改善してほしい」など熱心に議論した。

タツイートで1万回以上RTやふぁぼの通知が飛んできてはしゃいでいたのは黒歴史ではあるが、思い出として明瞭に記憶している。この先もずっと忘れないと思う。

そういったブームが落ち着いてくるとmikutterという、主にLinuxで使えるTwitterクライアントに出会った。
「無ければ自分で作れ」という使い古された言葉があるように、無い機能は自分でいくらでもプログラムを書いて追加していけるTwitterクライアントだ。
大したスキルは無いが仮にも情報科学を志す学生としてこれは見逃せなかった。
#GentooInstallBattleに失敗して母体のWindowsを根こそぎ吹き飛ばしたのはいい思い出である(クッソまじはぁ) 今でも全然書けないがRubyはmikutterをきっかけに勉強し始めたし、まさかTwitterクライアントに付け足す機能のために新しいプログラム言語を勉強するなどとは思わなかった。

UserStreamが終わることについて

UserStreamというのはタイムライン上で更新など何もしなくても自動でポンポンと新着ツイートを流してくれるやつだ。これが2018年8月24日に廃止される。

最初に書いた「技術系界隈」ではなくもっと真っ当にTwitterを楽しんでいる人たち(主語がデカすぎる)でこの機能に恩恵を受けているという人がそこまで多くないことは理解している。

この機能が無くなることについて先に個人的考えをまとめておくと、

  • タイムラインがリアルタイムに流れなくなるのは正直どうでも良い
  • RTやふぁぼられたことを自動でリアルタイム通知されなくなるのが辛い

他にもいろいろ思うところはあるがこの2点に絞った。
今回Twitterクライアントの選別で特に「TLが自動で流れるから」という理由をつけて紹介したものは無い。
それは自分の中で「UserStreamといえばTL自動更新より自動ふぁぼ通知が大事」という思いが無意識的にあったからだ。(とはいえ大体のクライアントにUSは付いていたし、そもそも自動通知はそれに依存する機能だ)

Twitterはつぶやきだ。チャットツールではない。
などと言ったところでそういう使い方でドハマりしていたため信じてもらえないだろうが、「つぶやき」(発信)ができればそれでいいと思っている。Twitterの云うところの「マイクロブログ」というのがどういうモノなのか、とうとう最後まで理解できることはなかったが、最低限一方的に情報を吐き出す機械であれば、他人のツイートは見たい時に見に行ければそれで十分だという意味だ。

だがリアルタイム通知はどうだろうか。
ツイートなら見たい時にTLを自分で更新すれば良いが、「○○さんにふぁぼられた!」という情報は、公式Webで言えば「通知」欄を見に行かないと確認できない。(他のクライアントでもUSが無くなればそれは同じだ。)
つまり、画面を遷移しなければいけない。おまけに公式の通知欄は現状見づらい。
このように脇役であった通知という機能がUserStreamさんのおかげで「居場所」を見つけた、と個人的に思っている。
最近では何やら公式Webや公式のクライアントで「○○さんがお気に入りに登録したツイートです!」との説明と共に当該ツイートがタイムラインに流れてくるようだが、せめてそこはお気に入りされた「自分の」ツイートにしてほしかった、というのがお気持ちである。

当然ながら、これらの主張はSNSの使い方、価値観、人の数だけ違い、反論も多いだろうと思う。
こういった予防線を張りながらでないと発言できない未熟さは自覚している。

じゃあお前だったらUS守れたの?

無理だったと思う。

いや、結果としての廃止は正解と言った方がいいのかもしれない。
もっと言えばTwitter社(引いてはサービスを提供する側)はユーザの意見に対して話半分程度に聞けばいいと思うし、そうでないとユーザの要望だけをひたすら具現化していく機械になり、もはやそこにクリエイティブは存在しない。

だから非常に残念であるが廃止という事実そのものは納得している。
Twitter社のオカネの話はこのエントリでは触れないが、そういった経営の理由であったとしてももう少し説明してはくれなかったのだろうか。UserStreamの乱用でTwitter社を苦しめ続けた我々をもっとマネタイズに利用する手は無かったのだろうか。その一手が「積極的に切り捨てる」なら何も言えないが、納得するにはやはり説明が少なすぎる。

Twitterは過去に「サードパーティと仲良くする」と宣言していたが、この対話不能さを見ると開発者でも何でもない自分がこのようなエントリを長々と書く動機としては十分すぎるものがあった。

これからのこと

マストドンをメインで使い、同人活動の宣伝や必要と感じた時だけツイッターで呟こうと考えている。
2011年から始めたツイッターだ。UserStream公開より後である。US無しでやっていける自信が無い。

ここ数日はTLで喚き散らして不快に思った人も多かったのではないかと反省している部分もある。(今更ではある)

それでもより多くの人に知ってもらいたい気持ちはあった。しかし自分は与えられたものをただ使うだけのユーザーだ。今回紹介した多くのクライアント開発者たちから見たTwitterが書かれている本がある。当時を知っていないと理解できない部分や技術的な部分もあると思うが、本当にオススメなので読んでみてほしい(物理本が品切れでもPDF版なら買ってすぐ読めるのでインターネットさんはすごい)

mikutterの薄い本 vol.14『レズと青い鳥』- BOOTH

ツイッターお別れエントリの恒例になってるので宣伝した。

マストドンをはじめ分散型SNSと呼ばれるもののいいところは、自分にあったインスタンスを自分の意思で自由に選択できることにあり、もっと言えば共通のプロトコルによりマストドン以外の別の分散型SNSとさえ自由に繋がれるため、選択肢が比べ物にならないくらい多いことだ。
それゆえ正しい選択が必要になるが、成功も失敗も自分がコントロールできた方がいい。

インターネットの基本は後出しジャンケンで、新しいサービスも、言動も。
Twitterは大好きだったと思う。